三佐和ブログ


オアシスⅡからの水分蒸発量の測定をしてわかったこと 2025年06月02日

大田区産業プラザPIOや新宿事務所のオアシス1の水分蒸発量の測定では、オアシス1の表面を覆う芝生や土からの水分蒸発量の合計がわかりました。そして2024年5月から2025年5月まで新宿事務所のベランダにオアシスⅡを設置して給水のインターバルを7日にした水分蒸発量の測定はでは、オアシスⅡの表面を覆う芝生と、土からの水分蒸発量を分けて測定できました。その結果は芝生からの水分蒸発量が1.2㍑/㎡・日、土からの水分蒸発量が1.8㍑/㎡・日で、オアシスⅡ全体からの水分蒸発量は3.0㍑/㎡・日でした。(ちなみに土の表面からの水分蒸発量は、周囲の水面からの水分蒸発量と同じとみなしています。)

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芝生の茎と茎の間は土で覆われています。土の表面積は芝生の茎が点で生えているので、かなり広いと考えられます。そこで芝生が生えている場所から蒸発する水量は芝生の葉の表面と、芝生を支える土の表面から蒸発する水量の合計であると考えます。

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今回の測定でオアシスⅡの土からの水分蒸発量1.8㍑/㎡・日に対して芝生からの水分蒸発量が1.2㍑/㎡・日であったのは、土と芝生からの水分蒸発の仕組みに違いがあったからではと考えられます。土は太陽光や風の影響に敏感に反応して水分を蒸発させますが、芝生は根が土中の水分を吸収して茎を通して葉から蒸発する仕組みをとっています。その違いは水分蒸発量のグラフを見てからもわかります。1年を通して芝生からの水分蒸発量の変化は、オアシスIIの土や水からの水分蒸発量の変化よりも小さいことがわかります。下のグラフをご覧ください。緑色のグラフが芝生からの水分蒸発量の推移、オレンジ色のグラフが土や周囲からの水分蒸発量の推移です。

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緑豊かな土地が砂漠に変わるのは、土地からの水分蒸発量の半分近くを占めていた植物からの水分蒸発量が失われることで、大気中に放出される水蒸気の量が減り、雨水の循環が失われるからでしょうね。ヒートアイランドにオアシスⅡを設置することで都市ににオアシスを作ります。

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