三佐和ブログ


サクラランも生きている29 2025年06月23日

5月26日から6月23日までのサクラランからの水分蒸発量は5.1gでした。1日当たりの蒸発量は0.18gで前回の測定よりもより,さらに0.03g増えました。サクラランからの水分蒸発量は3月の春分を過ぎたころから増えてきたのがグラフからわかります。緑色のグラフがサクラランからの水分蒸発量の推移です。

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水を入れたペットボトルからの水分蒸発量は、室内ではほぼ一定です。青色のグラフをご覧ください。それでも室内の気温や湿度も春分を過ぎて上昇に転じました。下記のグラフをご覧ください。

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室内の気温や湿度が上昇しているにもかかわらず、ペットボトルからの水だけの蒸発量はほぼ一定しているようです。そしてサクラランからの水分蒸発量が増えているのは、水中のサクラランの根が水を吸い上げ、葉から蒸散しているからですね。サクラランは生きています。P1100812.JPG

サクラランの葉も成長して大きくなってきました。葉が大きくなったことも、水分の蒸発量が増えた要因です。6月23日撮影

6月のフローラカスケード 2025年06月21日

浅草寺様境内に設置されている立面型植栽装置フローラカスケードでは夏から秋にかけての花、インパチェンスを植えました。P1100730.JPG

フローラカスケードが設置されている場所は、境内東の大イチョウの木の前です。大イチョウがフローラカスケードに直射日光が当たるのを防いでいるので、インパチェンスにとっては育ちやすい環境です。

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フローラカスケードへの灌水はコントロールタイマーにドリップチューブを接続して行っています。とりあえず1日1回6分の灌水時間に設定してインパチェンスを育ててみようと思います。

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6月21日は夏至です。これから東京は8月の中旬に向けて気温も上昇して本格的な夏の気候を迎えます。大イチョウに守られたインパチェンスを、灌水の継続で夏の暑さから守りたいですね。6月21日撮影

オアシスⅡからの水分蒸発量58 2025年06月20日

6月14日から20日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は3.0㍑/㎡・日、芝生からの蒸発量は1.0㍑/㎡・日、周囲からの水分蒸発量は2.0㍑/㎡・日でした。今回の測定から直射日光が当たるのを避けるためにオアシスⅡを室外機の上に移したので、測定の継続性は失われましたが、夏に向けて西洋芝の衰退をなるべく防ぎながら、水分蒸発量の測定をすることを目標にしました。

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今年の梅雨は、太平洋高気圧の張り出しが強いので梅雨前線が消えて、東京の気温も高くなっています。上のグラフの推移をみるとオアシスⅡの表面や周囲からの水分蒸発量は、芝生からの蒸発と比べて気温の変化に敏感に反応しています。

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気温が30度を超える中で、直射日光が当たらない室外機の上にのせたオアシスⅡですが、気を付けて芝生の成長を見守ります。6月20日撮影

6月の新宿事務所 2025年06月17日

日中の東京の気温は30度を超えてきました。夏至を過ぎてからオアシスⅡの設置場所を移動しようと思っていましたが、直射日光に当たらない室外機の上に移動しました。オアシスⅡではあえて東京の夏が苦手な西洋芝を育てているので、なるべく芝生が育ちやすい環境をベランダで探しながら育てます。P1100684.JPG

そして室外機の上で育てていたアレカヤシをベランダに移しました。緑化ブロックや手作りフラワーポットで植物を育てていると、手軽に植物を育てる位置を変えられますね。

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急に夏の気候を迎えた新宿事務所のベランダでは、ベゴニアやキンギョソウがカスケードブロックに支えられながら、暑さに負けずに元気に育っています。

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今年の東京の夏がどのような気候になるかわかりませんが、ベランダで緑化ブロック、カスケードブロック、そして手作りフラワーポットで植物を育てるコツは灌水の継続ですね。6月17日撮影

ヒートアイランドにオアシスを!オアシスからの水の循環イメージ 2025年06月16日

先のblogで大田区産業プラザPIOや新宿事務所でのオアシスからの水分蒸発量の観察を通して、東京都内の雨水の循環のイメージを描きました。「オアシスⅡからの水分蒸発量57」今回はこのイメージをパーセンテージで表現しようと思います。降雨量を100%とした場合90%の水がオアシスから蒸発します。そして残りの10%の水がオアシスに保水されます。下記のイメージレイアウトをご覧ください。

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オアシスから蒸発する90%の水分の内45%が芝生から、残りの45%がオアシスの表面の保水された土から蒸発するイメージです。もしオアシスに芝生が生えていない場合、オアシスの表面から蒸発する水分量は45%で降雨量の半分以下になるということです。

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オアシスに芝生が生えていると降雨量の90%の水がオアシスから蒸発することになります。つまり地表からの蒸発量とほぼ同じ蒸発量が芝生からの蒸発で加わるということですね。植物が生息することで大気中の水分量が増え、雨水の循環は保たれます。そして植物の生息が失われることで、雨水の循環が失われて都市は砂漠化してゆきます。ヒートアイランドにオアシスを!

オアシスⅡからの水分蒸発量57 2025年06月13日

6月7日から6月13日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は2.8㍑・/㎡・日、芝生からの蒸発量は1.2㍑/㎡・日、周囲からの水分蒸発量は1.6㍑/㎡・日でした。今回はオアシスⅡと周囲からの蒸発量が若干増えたのに対して、芝生からの蒸発量は横ばいでした。250613レイアウト.png

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何回もブログでお話ししてきましたが、大田区産業プラザPIOや新宿事務所でのオアシスからの水分蒸発量の観察を通して、東京都内の雨水の循環のイメージを描きました。それは東京の年間降水量の平均値が4.4mm/㎡・日(理科年表参照)、オアシスからの水分蒸発量が4mm/㎡・日で、内訳は芝生からの蒸発量が2mm/㎡・日、そしてオアシスの地表の土や水からの水分蒸発量が2mm/㎡・日というものです。下記のレイアウトをご覧ください。

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降雨量に恵まれた温帯のヒートアイランド東京で芝生を育てると、降雨量のおよそ90%が大気中に蒸発して、残りの10%が地中に保水される予想です。そして大気中に蒸発する水分の内50%が芝生から、そして50%が地表から蒸発するイメージです。芝生や地表からの蒸発量が降雨量よりも少ないことで、地中に水が保たれます。そして地中に保水された水分のおよそ50%を芝生が蒸発させることで、雨水の循環が保たれる仕組みです。

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芝生をはじめとする植物が失われることで、その土地の雨水の循環がなくなり砂漠化が進んで行くのでしょうね。東京も梅雨に入り、新宿事務所のオアシスⅡの芝生もようやく芝刈りをしました。これから夏至に向けて気温や湿度が上がって行き西洋芝にとって苦手な季節を迎えます。よく注意しながら芝生の成長を見守ります。6月13日撮影 参考ブログ:植物は土地の力 ヒートアイランドのビオトープオアシスⅡ 

オアシスⅡからの水分蒸発量56 2025年06月06日

5月31日から6月6日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は2.5㍑/㎡・日、芝生からの蒸発量は1.2㍑/㎡・日、周囲からの水分蒸発量は1.28㍑/㎡・日でした。今回はオアシスⅡ周囲からの水分蒸発量が若干増えたようです。

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新宿事務所のベランダに設置したオアシスⅡに7日のインターバルで給水を続けて2年目に入りました。芝生が育つ環境の気温や湿度の変化、そして日差しや風の当たり方は複雑です。それでもこの一年の経験を活かしながら西洋芝が育つことが出来る環境を整えたいと思います。

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写真を見てもわかるように西洋芝ケンタッキーブルグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクの混合種が伸びすぎてしまいました。近々芝生を刈ろうと思います。6月6日撮影

土地の保水量2 2025年06月05日

2024年5月25日のblogで土地の保水力についてお話ししました。土地の保水力 今回は昨年の5月から新宿事務所のベランダのオアシスⅡで1年を通して観察した水分の蒸発量の測定に基づき、改めて土地の保水力を考えてみたいと思います。今回の測定ではオアシスⅡから蒸発量を、オアシスⅡの芝生からの蒸発量と芝生以外からの蒸発量を分けて測定しました。そして芝生以外の蒸発量は、オアシスⅡの横に設置した計量容器からの水分蒸発量と同じであるという考え方を取りました。つまりオアシスⅡに給水した水量から、オアシスⅡの周囲からの水分蒸発量と、オアシスⅡの基盤であるガーデンクリートとに保水されている水量を差し引いた量を芝生からの水分蒸発量としました。

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7日に一度の給水を続けると、7日目にはオアシスⅡの容器の底の水は無くなりますが、ガーデンクリートはまだ保水されています。これが土地の保水量ですね。植物が生えている環境では降雨量が蒸発量より多く、雨水は土に浸透します。そして浸透した水を植物の根が吸引して、葉を通して大気中に蒸発させて雨水の循環は保たれます。

オアシスⅡからの水分蒸発量の記録がPDFでアップされました 2025年06月03日

2024年5月から2025年5月まで測定した、オアシスⅡからの水分蒸発量の推移の記録がアップされました。ホームページの資料ダウンロードからもご覧いただけます。1年を通して芝生からの水分蒸発量を観察することで植物に覆われた表面からは、蒸発する水分の量が多いことがよくわかりました。

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コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドでは表面を植物で覆うことで、大気中の水分量が増えて雨水の循環が保たれます。これからもコンクリートやアスファルトの上をガーデンクリートで被覆して植物を育ながら、ヒートアイランドにオアシスを!目指します。

オアシスⅡからの水分蒸発量の測定をしてわかったこと 2025年06月02日

大田区産業プラザPIOや新宿事務所のオアシス1の水分蒸発量の測定では、オアシス1の表面を覆う芝生や土からの水分蒸発量の合計がわかりました。そして2024年5月から2025年5月まで新宿事務所のベランダにオアシスⅡを設置して給水のインターバルを7日にした水分蒸発量の測定はでは、オアシスⅡの表面を覆う芝生と、土からの水分蒸発量を分けて測定できました。その結果は芝生からの水分蒸発量が1.2㍑/㎡・日、土からの水分蒸発量が1.8㍑/㎡・日で、オアシスⅡ全体からの水分蒸発量は3.0㍑/㎡・日でした。(ちなみに土の表面からの水分蒸発量は、周囲の水面からの水分蒸発量と同じとみなしています。)

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芝生の茎と茎の間は土で覆われています。土の表面積は芝生の茎が点で生えているので、かなり広いと考えられます。そこで芝生が生えている場所から蒸発する水量は芝生の葉の表面と、芝生を支える土の表面から蒸発する水量の合計であると考えます。

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今回の測定でオアシスⅡの土からの水分蒸発量1.8㍑/㎡・日に対して芝生からの水分蒸発量が1.2㍑/㎡・日であったのは、土と芝生からの水分蒸発の仕組みに違いがあったからではと考えられます。土は太陽光や風の影響に敏感に反応して水分を蒸発させますが、芝生は根が土中の水分を吸収して茎を通して葉から蒸発する仕組みをとっています。その違いは水分蒸発量のグラフを見てからもわかります。1年を通して芝生からの水分蒸発量の変化は、オアシスIIの土や水からの水分蒸発量の変化よりも小さいことがわかります。下のグラフをご覧ください。緑色のグラフが芝生からの水分蒸発量の推移、オレンジ色のグラフが土や周囲からの水分蒸発量の推移です。

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緑豊かな土地が砂漠に変わるのは、土地からの水分蒸発量の半分近くを占めていた植物からの水分蒸発量が失われることで、大気中に放出される水蒸気の量が減り、雨水の循環が失われるからでしょうね。ヒートアイランドにオアシスⅡを設置することで都市ににオアシスを作ります。

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